現実と虚構の中で。

なんと、悲しい物語だろう。


産業革命時のイギリス。機械化が進められてプロレタリアと呼ばれた労働者はは、昼も夜もなく十時間労働したのだという。
そのことをひたすら思い出した。


それで、この物語を読んで気がついたのだが……


これはおそらく、半分主人公のも自己洗脳。そして、妄想の物語なのだろう。


工場に勤務し、自らマシーンとなっている自分に自覚しながらも、
「いや私は人間だ」と言い聞かせているのだ。
証拠に、食べているものは人間の食事ではないか。

そして夢がある。お酒を飲んで、小説家として一流になることを望んでおり、アルコールの霧が晴れる頃に人間に戻る……いや違う……

マシーンに戻るのだ……。



現代人を冷静に見つめた、物悲しい景色の物語だと私は思ったが、どだろうか。



ご一読を。











その他のおすすめレビュー

SB亭moyaさんの他のおすすめレビュー914