正しい側”の手が、ほんの少し汚れる瞬間がいちばん怖い。

口調の軽い男と、踏ん張ってきた女騎士の噛み合わなさが、じわじわ不穏に変わっていく構図が上手い。読み終えたあとに残るのは、「あれ、どっちが檻の中だった?」みたいな感覚。タイトル通り、嗤っているのは誰なのか――続きを引き寄せる引力が強い作品。