絶望的過ぎる「強い呪い」。それでも諦めない腹痛さんがカッコ良すぎる!
- ★★★ Excellent!!!
この絶望的なまでの「呪い」の根の深さ。その全貌が見えた時に圧倒されました。
物語は「螺子巻島」なる孤島を舞台に進みます。
そこへ引っ越してきた美空や麗美たち音無家の姉妹は、一見平和そうに見える島にどこか不穏な空気が立ち込めているのを感じ取る。
一方、鳴島大黒なる人物から母親が失踪したと相談を受け、島に調査にやってきた「腹痛さん」こと霊能者の卜部一行。
島で過ごす間に、次第に音無家の面々や腹痛さんたちの身にも「呪いの力」が迫って来ることになる。
一体呪いの正体は? そしてこの島では何があったのか?
「アポーツ」という物質化能力を使って島の過去を探ることに成功した腹痛さんだったが、そこで出てきた答えは、あまりにも「深すぎる」ものでした。
日本という国が辿ってきた「負の歴史」とでも呼ぶようなもの。それを煮しめたかのような強く、そして深すぎる怨念や呪い。
正体が見えてきた段階で、「これ、本当に祓えるの!?」と不安になるほどでした。あまりにも個人の手に負えなさそうなレベルの強い呪い。
その上で、コアとして存在している「霊的存在」の名前。数々の作品にも登場してきた存在ですが、基本的に人類は「これ」にほぼ勝てないのが定番。
そんな絶望的な戦いを強いられる腹痛さんたちですが、ラストまで読んで胸が熱くなりました。
なるほど、たしかにこの負の歴史は深すぎるものかもしれない。でも、深さや歴史を持っているのは何も「負のもの」だけじゃない。
そして見事に「呪い」の弱点まで正確に看破して攻撃してみせる腹痛さん。やっぱりやる時はやってくれる。そんな姿がとにかくカッコいい。
圧倒的な絶望感を見せる「呪いの根の深さ」と、それでもしっかりと勝利を掴んでくれる腹痛さんの頼りになる感。
まさに第一級のホラーエンタメ。最高に楽しませていただきました!