ここに悪意は刻まれ、絶望が生まれる……。
- ★★★ Excellent!!!
始まりは静かな物語だった。
山田洋次監督の映画みたいに、穏やかで美しい始まりだった。
小さな幸せの息遣いや、些細な戸惑いがあった。
同時に得体の知れない何かも感じた。
知らぬ間に指先で乾いてしまった血の跡みたいに、何処を切ったのか分からない見えない傷を感じた。
積み重なり過ぎ行く時間が「嘘」に見えた。
歩いている道が「嘘」に見えた。
認識している事、知覚している事、感情が、信頼が、優しさが、濁った「嘘」をしみこませている様で、怖かった。
悪意は巡る。
きっと誰も悪くないのに「悪意」はどこまでもどこまでも、非情で残酷で腐り切って抜け出せず、ねっとりとぬっちゃりとじゅくじゅくと、あらゆるものが螺旋と円環に呑まれて渦となる。
タスケルミチモミエナクテ、オモクテ、クルシクテ、イタマシクテ、ヤサシクナクテ、悪夢シカナクテ……。
押しつぶされそうで、息苦しくて、響いて、裂けて、うねって、酷くツメタクテ。
棘は茨と成りて、繰り返し肉を刻み、叫びは慟哭を越えて、声は潰える。
滲んだ想いは染みとなり果て、拭えぬ狂気が色を濃くする。
キット誰モワルクナイノニ……。
僕はそんな「悪意」の渦に巻き込まれて、どうなってしまうのかわからなかった。
だけど、
それは……。
お勧め致します。
書籍化作品【邪祓師の腹痛さん】シリーズ、続巻が刊行される事を切に願いつつ、このお勧めレビューに最大の敬意を込めて深川我無氏へ。
そしてより多くの読者様に!
圧巻のラストに僕は鳥肌と感動を覚えました。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)