螺旋の島に潜む狂気 ―― 音と祈りが紡ぐ戦慄のホラーミステリー

二つの視点が絡み合う巧妙な構造!
移住してきた音無家の姉妹と、人探しの依頼で訪れた邪祓師一行。二つの視点が交互に描かれ、それぞれが島の「異常」に気づいていく構成が秀逸です。読者だけが全体像の断片を掴みながら、次第に明らかになる島の正体に戦慄します。
不気味な設定の数々が圧巻
螺旋状に渦を巻く島の形状、島中に響き渡る不協和音のオルゴール、人の顔が浮き出た巨大なモニュメント。視覚的にも聴覚的にも異質な描写が、読者を容赦なく不安に陥れます。「ここは良いところよぉ。ずーっとおったらええ」と繰り返すメリー婆さんの不気味さは、まさにホラーの真骨頂。
じわじわ迫る恐怖が巧みすぎる
最初は「ちょっと変わった島」程度だったものが、バスで同じ場所に立つ人影、魚鱗症の遺体、異様な葬儀の儀式と、段階的にエスカレートしていく恐怖演出が見事。特に葬儀のシーンは圧巻で、呪文のような経文と鉢の音、そして最後に美空が目撃した「何か」――読み進めるほど背筋が凍ります。
キャラクターの対比も魅力
明るく適応しようとする美空と、冷めた態度の麗美。軽口の水鏡と不機嫌な卜部。対照的なキャラクターたちが、それぞれの視点で島の謎に迫る展開に引き込まれます。特に邪祓師・卜部の「この島は神気が満ちている」という指摘が不穏さを倍増させます。

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