確実に「ざまぁ」で応報する、加護という名のピタゴラスイッチ!

 徐々に徐々に組み立てられていく「なんかヤバそうなもの」が、とにかく心にじわじわと来ました。

 聖女のグレイスは、ある時にサーイント国のフィルス王子から婚約破棄を言い渡される。今後はリエイルという「本物の聖女」を結婚するとし、グレイスは偽者だと糾弾されることになるが……。

 しかし、グレイスには「応報加護」という女神の力が備わっていた。そんな彼女に敵意を向けることにより、着実に「何か」が動き出してきて。

 魔王軍の動き。へっぽこな勇者パーティー。木の伐採をしようとするドワーフたちや、敵国の兵士。それらの人々のちょっとした行動の数々が描き出されていく。

 三谷幸喜監督の「有頂天ホテル」など、いわゆるグランドホテル形式により、ファンタジー世界における「ざまぁ」が出来るまでが読み解かれていく。その過程がとにかく面白かったです。

 特に、「明らかになんか物騒なもの」が登場し始めた段階で、これが本当に凶悪な「ピタゴラスイッチ」になっていくのが想像され、頬が緩まずにはいられなくなります。

 因果応報。これがどうやって積み重なり、どんな結末を作り出すか。ファンタジーの世界で味わう「グランドホテル形式」の新鮮さと共に、是非お楽しみください。

その他のおすすめレビュー

黒澤 主計さんの他のおすすめレビュー2,176