その淑女が纏うのは、黒か白か、はたまた赤か――

戦争の兵器として育成された”戦人形――F01”。その定めを背負わされた人間兵器が「清廉」を背負った一人の淑女に出会うところから物語は始まります。

政治的な思想の中に彩られた白と黒。
その意味と信念を目の当たりにしたとき、私は彼女と共に一人息を呑みました。

ゆっくりと進むストーリーの中で、DOLLが徐々に見せ始める小さな「揺らぎ」。一瞬の旅に表情を変えるその揺らぎが、私に異なる彼女の側面を見せてくれます。物語の結末で、一体その揺らぎはどこに到達するのでしょうか。

良く練られた重厚な世界観と政治的な対立が、作品とキャラに重さと強さを与えている、とても素敵な一作です。濃厚なSFがお好きな方にお勧めの一作!! ぜひ、年末のお時間があるうちに!!(←執筆時期:12/27)