妖艶、残虐、無慈悲な世界観が映える禁断の精神医学ダークファンタジー!
- ★★★ Excellent!!!
控えめに言って相当面白いです!
心理学や精神医学を主軸にした物語で、精神的な病理を抱えた登場人物達が跋扈する世界。
この設定だけでも凄く骨がある。
そのうえ本作は、彼らの行動原理や挙動に齟齬やご都合がありません。
サイコパスを描く映画などでは、派手さ恐怖演出のために「それはちゃうやろ……」という挙動をキャラクターが示したり「その過去でそうはならん……」という浅薄さが目につくことがあります。
しかしこの作品にはそれがありません。
異世界という特殊な環境設定が、彼らのトラウマや行動原理を補完していて、矛盾なく読み進められる。
注釈で病理や性質に関する説明ページも設けられているので、知識が無くても大丈夫!
さらに注釈ページも、しっかりとエンタメにカスタマイズされている至れり尽くせりの仕様なのです!
主人公で精神科医のカイラスは、メンヘラ女神の呪いに四苦八苦しながらも、何とか異世界で生き延びようと藻掻きます。
その中で次々と問題を抱えた人物が現れ、カイラスは彼らをも救おうと己の身を切ります。
それを見た女神はさらなる嫉妬にかられ、同時にカイラスの優しさに惚れ惚れし、彼の顔が苦悶に歪むようにと、自分だけを愛するようにと次々と艱難を浴びせかけていく……
究極の試し行為に翻弄されながら、カイラスは女神すらも癒す事が出来るのか?
この地獄のような世界に光は射すのか?
予測不能の病んだ世界がカイラス(善意)によって治癒されることを願いつつ、応援したいと思います!