概要
名前と姿を失った私が出会ったのは、心をお茶にする化け狐でした
会社を辞めた弥尋(みひろ)は街をさまよっていた。迷い込んだ不思議な喫茶店のなかで、古い鏡を見つけ、名前と姿をとられてしまう。それを助けたのは薊(あざみ)という化け狐だった。薊は弥尋の心から植物を取り出し、それを使ってお茶を淹れる。名前を思い出した弥尋は鏡から姿を取り戻すため、喫茶店で働くことになる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!他者の心を飲む、自分が自分であるために。
社会人である女性主人公は、日々の生活に疲れていた。しかし、ある喫茶店で鏡から名前と姿を取られてから、その存在の希薄さに拍車がかかり、ますます不確かな存在になってしまう。主人公は喫茶店で働きながら、鏡の行方を探すことになる。
しかし、その喫茶店はただの喫茶店ではなく、妖怪たちが集まる場所だったのだ。主人公は戸惑いながらも、心の芽を切って煮詰めた茶を飲むことに。初めは飲みにくい茶の味も、その人外を知って飲むと円やかになる。また、店主に指示されてハーブなどを入れて飲むと意外に美味しい。主人公は人外ごとに異なる茶を飲むたびに、自分の不確かさを知り、克服していく。
そんな主人公が心配していたのは…続きを読む - ★★★ Excellent!!!他人を知ることで自分を深める
親切心に付け込まれて存在を奪われた主人公が、他者を知ることで少しずつ自分を取り戻していく現代ファンタジー作品です。
主人公は普通でいることに疲れ切ってしまった女性。
退職をきっかけに悩みは心を蝕み、ついには怪異との境界線を認識できるほどになってしまいます。
覚悟もなくあっちの世界に踏み出した主人公は、怪異からすれば格好の獲物。
気が付けば身体も名前も取られ、消えゆくだけの幽かになってしまいました。
ですが、捨てる神あれば拾う神あり。主人公はとある喫茶店のオーナーに拾われ、従業員として働くことになります。
報酬は心の分配。お客様の悩みを分かちあうことで、主人公は消え去った中身を注い…続きを読む