笑っていたはずなのに、気づけば胸が熱い――光るほどに切ない成長物語
- ★★★ Excellent!!!
“使命”と“神ギフト”を得た一方で”十字架”も背負う――”男の娘”ゆきの成長譚
VTuber×青春×家族愛を、軽快なテンポと“刺さる繊細さ”で両立させた現代ファンタジーです。
主人公”ゆき”は、注目を集めてしまう容姿と才能を持ちながら、そのせいで日常がままならない男の娘。
それでもゆきは「歌とダンスで誰かを元気にする」という選択を、自分の意思で取りにいきます。
本作の強みは、配信シーンの高揚感と、学校・家庭の生活感が軽快なテンポで描かれているところです。姉妹の会話はコミカルで賑やかなのに、ふとした瞬間に胸の奥へ静かに触れてくる切なさがあります。
明るさで押し切らず、でも重さに溺れない。読み味の良いそのバランスが絶妙です。
家族(姉妹)との関係は、保護とちゃかしと本気の心配が同居していて、読後に愛情の深さを感じる温度が残ります。配信者としての成長物語でありながら、「自分として生きる」ことの物語としても心に残る一作です。