概要
鏡を見たことのない怪物が、初めて、自分と出会う。
H・P・ラヴクラフト「アウトサイダー」を下敷きにした翻案。
床下の型番、通販カタログの赤いラベル。それだけが「俺」の知る世界のすべてだった。声も、顔も、自分の名前さえ知らないまま、幽閉された時間を経て、ある日、板が外れる。
上へ。それだけが唯一の事実だった。
崩れた施設の内部を、爪を剥がしながら登り続けた先に、何かが待っていた。
床下の型番、通販カタログの赤いラベル。それだけが「俺」の知る世界のすべてだった。声も、顔も、自分の名前さえ知らないまま、幽閉された時間を経て、ある日、板が外れる。
上へ。それだけが唯一の事実だった。
崩れた施設の内部を、爪を剥がしながら登り続けた先に、何かが待っていた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!異端者という名のペルソナ
床下の閉ざされた空間だけが 世界 の
全てであり、型番と古い通販カタログだけが
常に身近にあった。何度も読み返された
それらは、けっして その先 を示唆しない。
板の隙間から落ちて来る杉の葉。
時折、聞こえる足音。そして誰のものかも
分からない、骨。
ある日、閉ざされていた板が外れた。
そして 自分 はその閉ざされた空間から
光の方へと登って、更に登って行く。
本作品はH.Pラヴクラフトへのオマージュと
言うが、同時に全く別の世界観を齎す。
ラベリングされた型番と通販カタログの
視覚から、腐った土や線香の嗅覚、杉の葉を
噛む苦味の味覚。板を剥がしコンクリートの
壁を登る触覚と痛覚。そ…続きを読む