「喉が渇いた」という異変から始まり、そこから時間を遡って、王女グレイスに何が起きたのかが少しずつ明かされていく構成が面白いです。瀕死の王女と、彼女を救った数百歳の吸血鬼シュトワイヤー卿。命を救われた代わりに吸血鬼となってしまったグレイスと、どこか強引で掴みどころのない彼との掛け合いも楽しく、短い話数でテンポよく読めた作品です。
瀕死の王女を救ったのが、数百年を生きる吸血鬼の辺境伯という導入から惹き込まれます。最初は強引にも見えるシュトワイヤー卿ですが、読み進めるほど、グレイスを守ろうとする不器用な優しさが伝わってきます。吸血鬼になったことで王女としての使命を失いかけるグレイスが、それでも自分の生きる意味を探そうとする姿も印象的で、二人の関係がこれからどう変わっていくのか、続きが楽しみな第一部でした。一話ごとが短くテンポよく読み進めていけました。【レビューコンテスト応募】
強烈な「渇き」に突き動かされる第1話の緊迫したシーンから始まり、時系列を遡って事件の顛末が明かされていく構成が見事で、一気に引き込まれました。首元の熱さや血のスープの奇妙な味わいといった五感を刺激する緻密な描写が、吸血鬼へ変貌する恐ろしさと戸惑いをリアルに浮き彫りにしています。過酷な運命を背負わされながらも決して悲観せず、救われた命に感謝できるヒロイン・グレイスの気高さに惹きつけられました。不器用で孤独なシュトワイヤー卿と今後どのような関係を築き上げていくのか、続きが非常に楽しみな作品です。
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