概要
二〇二六年起こった「澁谷ハロウィン大量毒殺事件」。十五人を死に至らしめた犯人・角田昌人は、その日を境に消息を絶った。
四年後。事件を追い続ける刑事・首藤一樹の部屋で、情報提供者だった榎本理世が惨殺される。
遺体の口には、一枚の切手が残されていた。
「澁谷 2026.10.31」
再開発の続く巨大都市。増殖する暴力。匿名化する人間たち。
角田、理世、首藤の過去が交差するホラーミステリー。
♦︎第二章 仮装少女
短編として完結済み。後日改稿してこちらにつなげます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!刑事と少女と殺人鬼、そして取り巻く人々
初っ端からショッキングな出だしで始まる本作。その『ショッキング』さが何を指すのかはネタバレになるので伏せるが、本作はそこから不思議な魅力を醸し出してくる。『哀愁』と『切なさ』なのだ。
本作は、渋谷にて殺人鬼の男を追う一人の刑事の物語だ。そして、その魅力……つまり真骨頂は犯人や刑事を取り巻く人間模様にあると思う。刑事の知り合いの家出娘にどこか犯人と重ねえてしまったり、かつて犯人と親交のあったおじいさんがやり切れない思いを吐露したり……決してグロだけではない。複雑で切なく、そしてどこか芸術的な雰囲気がある良作だろう。
犯人を追い続けながら様々な人と交わる主人公。そして、彼の行き着く先は…続きを読む - ★★★ Excellent!!!澁谷で人を探す
物語はひとりの少女の惨殺現場から始まります。
現場は四年前のとある事件を追う刑事・首藤の自室。
被害者はその事件の際に縁をもつことになった恋人の理世。
その遺体の口からは四年前の事件当日の消印の切手。
そのとき首藤の脳裏に浮かんだのは「角田昌人」――四年前の『澁谷ハロウィン大量毒殺事件』の容疑者であり、首藤が取り逃がし、追い続けている男の名前。
この四年間、影さえ掴めなかった角田がなぜ今頃になって動き始めたのか。
なぜ理世は殺されたのか。
さなざまな謎を残しつつ、今と四年前とが澁谷の路上で交差します。
◇
澁谷に「若者の街」という枕詞がつくようになったのはいつ頃からなんでしょうね。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!陽の当たる場所で生きられなかった者たちの哀歌。圧巻のホラーミステリー!
冒頭の凄惨な現場から、一気に物語の世界へ引きずり込まれた。
2030年の澁谷という、ディストピア感溢れる舞台設定の作り込みが素晴らしい。
とりわけ五感に訴えかけるホラー演出が秀逸。
孤独な弱者たちの哀哀たるドラマを背景に、物語は進む。
第1話から緻密に張り巡らされた伏線が、最終話で美しく、そしてあまりにも鮮烈な狂気へと収束していく。
その構成の巧みさに脱帽です。
主人公の刑事・首藤が背負う「死神」のジンクス、相棒・金津木とのバディ感、そして理世との歪で切ない「約束」の行方……。
ラストシーンで首藤が発する言葉は美しく、そしてこれからも続く彼の人生が滲んでいます。
ぜひ多くの人に見届けてほ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私も同じ事を考えていたこの小説。ホラーのみにしておくのは勿体無い。
私が、小説を書き始める遥か以前、ある不安が、フト、頭をかすめました。
今から数十年前、場末の喫茶店では、容器に入った真っ白のシュガーと、コーヒークリームは、お客が、各自セルフで入れるのは当たり前の時代。
もし、ここに悪意ある人物がいて、防犯カメラも無い時代、このシュガーカップに大量の「青酸カリ」を入れて、店を出た行ったら、果たしてどうなるのだろうか?
それから更に数十年後、ハロウィンで賑わう東京のど真ん中で、仮面をかぶり、チェーンソーを振り回して、通行人の首を次々と切り落とすと言う「地獄のハロウィン」と言うスプラッター小説を考え出しました。
真白透夜先生は、この私の血が飛び散るだけ…続きを読む