概要
音は消えた。 でも翌朝、私は鼻歌を歌っていた。
眠れない夜が続いていた。特に理由はない。ただ、布団に入っても天井を見ているだけで、気づくと深夜の街を歩いている。
ある夜、普段通らない公園を抜けようとして、音が聴こえた。誰もいないのに、ピアノが鳴っていた。星が出ている夜にだけ、そこでだけ、聴こえる音。
野宮奏、二十四歳。七年前にピアノを辞めた。限界を知って、自分で決めた。正しい判断だったと今でも思っている。ただ、正しかったことと、痛くなかったこととは、違う。
その夏、奏は毎晩天気予報を確認してから、公園へ向かった。
ある夜、普段通らない公園を抜けようとして、音が聴こえた。誰もいないのに、ピアノが鳴っていた。星が出ている夜にだけ、そこでだけ、聴こえる音。
野宮奏、二十四歳。七年前にピアノを辞めた。限界を知って、自分で決めた。正しい判断だったと今でも思っている。ただ、正しかったことと、痛くなかったこととは、違う。
その夏、奏は毎晩天気予報を確認してから、公園へ向かった。