概要
かつて、たった一箇所の誤入力がデジタル世界を暴走させ、文明は一夜にして崩壊した。
それから数十年。残された人類は、前時代の遺物「装甲殻」や特殊重機「クローラー」を修理・生産し、砂塵舞う荒野でかろうじて命を繋いでいた。
整備工場の息子・丈は、口は悪いが運転技術に優れたメカニック。
彼は、常人離れしたフィジカルと戦闘力を誇る姉・凛と、肉感的で艶やかな肢体に修復士と言う資格を持つ楓と共に旅に出る。
「どうせ一度きりの人生だ、納得して、死ぬまで進みてえんだよ」
軍用エンジンの咆哮。
砕け散る装甲。
漂うオイルの匂い。
伝説のハンター
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!戦うために旅立つ。でも、この物語が見つめているのは“戦いのその先”だ!
面白過ぎて、第三章まで一気に拝読しました。
人型へと変形する戦車。
荒野を徘徊する異形の敵。
油と砂塵にまみれながら、壊れた機械を叩き直して進む旅――。
ここまでなら、胸が熱くなるポストアポカリプスSFです。
けれど、読み進めるほどに感じたのは、この作品が描いているのは「強い機体で敵を倒すこと」だけではない、ということでした。
機械は、拾っただけでは動かない。
壊れれば修理が必要で、強くするには部品がいる。
弾薬も燃料も無料ではなく、稼がなければ次の戦いにすら進めない。
だからこそ、ひとつの勝利の裏側にある整備、補給、情報収集、資金繰りまでがきちんと物語になる。
専門的な機械描写…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ロマンとメカ描写に満ちたポストアポカリプスSFアクション
まさに漢のロマン!
本作は、ポストアポカリプスものであると同時に、SF的説得力を十分に含ませた芯のある一作となっております。
際立つのは、油!漢!メカ!の3拍子で繰り出される「修理屋」を生業とした主人公たちです。
それは、軍用車両を動かすためのリアルなお金・資源稼ぎの生々しさであったり、卓越したメカニック・整備描写の説得力であったり、果ては、戦車が人型へと変形し、荒野の強敵や賞金首を相手に立ち回る重厚感溢れるアクションなどです。
まさにロマンに次ぐ、ロマンの連続。
勿論、作者様の手腕はそれだけに留まらず、緩急の効いた構成と世界観の広がりを、丁寧に描く筆致で、読み手は主人公たちと共に、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~ 鉄とオイルの匂いが、絶望を修理していく ~
「たった一文字の誤入力で世界が滅んだ」という発端の不条理さと、それに対する答えが「英雄」ではなく「修理屋」であるという選択が、この作品の独自性を作っている。スーパーコンピューター「ソロモン」の暴走から唯一逃れた人型戦闘兵器「クローラー」を駆る丈と凛の旅は、ロボットもののロマンと、整備のリアルな手触りを両立させている。
レビューで繰り返し評されている通り、装甲殻や重機の構造的な無理や運用上の問題まで描き込む緻密さが、単なる「格好いいロボット」ではなく現場のリアリティを生んでいる。砂塵舞う荒野を駆ける戦闘の臨場感と、移動中の日常的な小ネタやお色気のコミカルさが、175話という長さの中で緩急を保っ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!全人類が見習うべき油臭さ
現実のどれほどスタイリッシュなマシンにも、それがちゃんと動く背後にはこのような人たちがいるものです。
レンチを握り、油にまみれ、機械の洞窟や歯車のブッシュに潜り込む。
お分かりですか? そう、整備士です。
時に20XX年、世界はAIの炎に包まれた!
だが整備士は死滅していなかった!
作中ではスーパーコンピューター「ソロモン」が暴走を始めた時、人型戦闘兵器「クローラー」のみが設計上の欠陥で唯一ネットワークに接続されていなかったため、他の兵器と異なりハッキングを免れ、殲滅に抗う人類の最後の希望となったことが語られます。
しかしながらもう一点。「整備士」もまた、ネットワークから排除されたスタン…続きを読む