面白過ぎて、第三章まで一気に拝読しました。
人型へと変形する戦車。
荒野を徘徊する異形の敵。
油と砂塵にまみれながら、壊れた機械を叩き直して進む旅――。
ここまでなら、胸が熱くなるポストアポカリプスSFです。
けれど、読み進めるほどに感じたのは、この作品が描いているのは「強い機体で敵を倒すこと」だけではない、ということでした。
機械は、拾っただけでは動かない。
壊れれば修理が必要で、強くするには部品がいる。
弾薬も燃料も無料ではなく、稼がなければ次の戦いにすら進めない。
だからこそ、ひとつの勝利の裏側にある整備、補給、情報収集、資金繰りまでがきちんと物語になる。
専門的な機械描写も多いのですが、不思議と「知識を試されている」感じがありません。
細かな名称をすべて理解できなくても、
「今、どこが壊れているのか」
「なぜこの作業が必要なのか」
「これが直れば何が変わるのか」
が物語の中で見えてくるので、機械に詳しくなくても一緒に一喜一憂できる。
そして、私が特に惹かれたのは、そのリアルさが人間にも向けられているところでした。
怖いなら準備する。
知らないなら情報を集める。
傷ついた仲間には無理をさせない。
弱っている相手の心に付け込まず、答えを急がせない。
主人公・丈は、旅に出た瞬間から完成された英雄ではありません。
父から受け取ったものを胸に、仲間や人生の先輩たちから学びながら、「生きて帰るための強さ」を少しずつ身につけていく。
この成長の描き方が、とてもいい。
さらに第三章まで進むと、この旅にはもう一つの問いが見えてきます。
敵を倒したら、それで終わりなのか。
戦いが終わったあと、誰と生きるのか。
――どこへ帰るのか。
そして、自分はどこに根を張るのか。
荒廃した世界を描きながら、その向こうにある「平穏」までちゃんと見せてくれるからこそ、彼らが命懸けで進む意味が少しずつ重くなっていきます。
激しい戦闘も、無骨なメカも、笑ってしまう掛け合いもある。
けれど、そのすべての奥にあるのは――
この世界で、人はどう生きていくのか。
そんな、とても人間臭い物語なのだと思いました。
まだ第三章までですが、すでにこの先の旅もずっと追いかけたい気持ちでいっぱいです!
人型変形戦車、整備、荒野――。
その言葉に少しでも心が動いた方には、ぜひこの「クローラードック」の扉を開けてみてください!!
まさに漢のロマン!
本作は、ポストアポカリプスものであると同時に、SF的説得力を十分に含ませた芯のある一作となっております。
際立つのは、油!漢!メカ!の3拍子で繰り出される「修理屋」を生業とした主人公たちです。
それは、軍用車両を動かすためのリアルなお金・資源稼ぎの生々しさであったり、卓越したメカニック・整備描写の説得力であったり、果ては、戦車が人型へと変形し、荒野の強敵や賞金首を相手に立ち回る重厚感溢れるアクションなどです。
まさにロマンに次ぐ、ロマンの連続。
勿論、作者様の手腕はそれだけに留まらず、緩急の効いた構成と世界観の広がりを、丁寧に描く筆致で、読み手は主人公たちと共に、旅の目的にワクワクさせられる構造となっており、男女問わず、心が沸き立ちます。
崩壊した世界を舞台に、整備工場の息子が人型変形戦車を駆り、魅力的なヒロインたちと共に荒野を旅する、ロマンと緻密なメカ描写に満ちたポストアポカリプスSFアクション。
あらすじだけよんで感性を刺激された読者様は、ぜひ、中身も堪能いただければと思います。
【レビューコンテスト応募】
「たった一文字の誤入力で世界が滅んだ」という発端の不条理さと、それに対する答えが「英雄」ではなく「修理屋」であるという選択が、この作品の独自性を作っている。スーパーコンピューター「ソロモン」の暴走から唯一逃れた人型戦闘兵器「クローラー」を駆る丈と凛の旅は、ロボットもののロマンと、整備のリアルな手触りを両立させている。
レビューで繰り返し評されている通り、装甲殻や重機の構造的な無理や運用上の問題まで描き込む緻密さが、単なる「格好いいロボット」ではなく現場のリアリティを生んでいる。砂塵舞う荒野を駆ける戦闘の臨場感と、移動中の日常的な小ネタやお色気のコミカルさが、175話という長さの中で緩急を保っている点も読みやすさを支えている。
世界を支配するAIさえ「壊れた機械なら直せばいい」と捉える整備士の視点が、この作品全体の芯にある哲学だと思う。鉄とオイルの匂いを纏った骨太なディストピア活劇として、安定した完成度を感じた。
現実のどれほどスタイリッシュなマシンにも、それがちゃんと動く背後にはこのような人たちがいるものです。
レンチを握り、油にまみれ、機械の洞窟や歯車のブッシュに潜り込む。
お分かりですか? そう、整備士です。
時に20XX年、世界はAIの炎に包まれた!
だが整備士は死滅していなかった!
作中ではスーパーコンピューター「ソロモン」が暴走を始めた時、人型戦闘兵器「クローラー」のみが設計上の欠陥で唯一ネットワークに接続されていなかったため、他の兵器と異なりハッキングを免れ、殲滅に抗う人類の最後の希望となったことが語られます。
しかしながらもう一点。「整備士」もまた、ネットワークから排除されたスタンドアロンな生体システムであったことが、人類の命脈を繋いだと言うべきでしょう。
これから先、人機の共生体は手を取り合って世界を滅ぼした電子の怪物へと立ち向かっていきます。
その戦いの結末がどうなるのか――それは是非、読者の皆さん自身の目で確かめてください。
~以下、小声で小言です。~
楓さんの目的とケースの正体を明かすのはもうちょっと勿体付けても良かったのでは?
丈たちを完全に信用できると判断するまで秘密にしていて、なのに源次が頭ごなしに彼女の旅に同行して協力しろと命令するから、丈がさらに反発するとか(さっきまで旅立つなとか言ってたくせに!俺は親父の操り人形なのかよ!)。
そして中盤をちょっと過ぎたあたりで真相が明かされるのです。それなら世界の現状とか家族とかをもっと仔細に描写した上で全ての発端を示すことができますし。
とはいえ、展開をどれだけ巻きで行くかという作者の好み次第でしょうか。。。
蛇足でございましたm(_ _)m
荒廃した世界、その地獄の始まりは——たった一文字の誤入力だった。
ベアリング・フラットで整備士として暮らす青年・門倉丈。ある日、修復士
・一ノ瀬楓が一つの純銅のケースを抱えて現れたことで、彼の日常は大きく
動き出します。
世界を修復する鍵を手にした丈は、頼れる姉・凛、天才修復士の楓とともに
旅立ちます。立ちはだかるのは、AIソロモンが放つ無数のスクラッパーと
生物兵器、そして、人類を滅ぼし続けるシステムそのもの。
整備士だからこそ分かる。壊れた機械なら修理すればいい。
たとえ相手が世界を支配するAIでも——。
この作品ならではの熱い戦闘、そして世界の根幹に挑む丈たち3人の絆が
光る旅路。
メカアクションありの壮大な冒険が繰り広げられる胸熱の、とてもおすすめ
な作品です✨
ポストアポカリプスの世界観、日本人の名前をした主人公達は、荒れ地を闊歩するスクラッパー達との戦いの日々を送る。
スクラッパー達が暴れ出した理由がいい、一文字のスペルミスがここまでを招いたのだと、そのスペルの英文がまたカッコよいのだニャ…。
自軍のロボを整備する整備工場の描写がとても丁寧で、作者さんの高度な知識量が見え隠れしますん。
町での比較的落ち着いた拠点感と出撃して敵と戦う臨場感のあるバトル感のタイミングの切り替えもいいと思いましたニャ、たまにお色気もあったり笑
キャラも良く、軽薄でテンパるのに最強の誠さんマジカッケーす。
今後も楽しみにしてますニャ