我輩(剣)、友と歩む——独白が温かい“相棒”異世界ファンタジー

25話まで拝読しました。千年以上洞穴に刺さったままの剣が、少年ルドルという“友”と出会い、やがて友を依り代として世界へ踏み出していく——この導入だけで心を掴まれました。

何より良いのが、“我輩”口調の独白。達観しているようでいて情に厚く、常識(=人間の暮らし)に疎いからこそ生まれるズレが、くすっと笑えて同時に切ない。二人が同じ景色・同じ味を共有していく描写が、じんわり効いてきます。

物語が動き出してからは、領主ヴァルや同行者ラルズ、闇ギルドなど“街の顔”が増えて、相棒旅が一気に立体的になります。温かさの芯を残したまま、暴力や残酷の影もきちんと差し込んでくるので、世界が引き締まりました。

この先、事件の裏側がどう繋がっていくのか、そして“剣”と“友”がどんな答えに辿り着くのか——続きを楽しみに追わせていただきます<(_ _)>

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