読みやすく、完成度の高いダークファンタジー!
- ★★★ Excellent!!!
街角の小さな魔法店を舞台に、「魔道具を鑑定することは人を鑑定すること」という主題を静かに、しかし鮮烈に描き出すのが『アンナの魔法よろず屋』だ。同一キャラクターによる短編連作形式は、一話完結の読みやすさと、積み重なる人物像の深みを両立している。#「ヴァルミリオンの封印書」では、古書一冊を巡るやり取りの中で、アンナの覚悟と知性、ルーカスとの緊張感ある関係性が巧みに浮かび上がる。情景描写は簡潔ながら密度が高く、光や空気、魔力の気配までが自然に立ち上がる文章力は特筆ものだ。台詞運びも洗練され、物語に静かな重みと余韻を与えている。甘美さと危うさが同居する、完成度の高いダークファンタジー連作である。