ルナティカンには強いが、苺には弱い(笑)

 この作品は、ハードな世界観と繊細な感情描写が鮮やかに噛み合った快作です。紅い月の下で描かれる周防月奈の無双アクションは圧倒的で爽快、それでいて彼女の内面には孤独と美学が滲みます。暴力と自由の線引きを問う思想性、城崎苺との出会いがもたらす温度差が物語に優しい光を差し込み、緊張と安寧の緩急が心地いい。強さと守る理由が一本の軸で結ばれる、読後に余韻の残る一作です。