衝撃的なSFホラー作品!合理的思考と人間の闇が結びついた世界
- ★★★ Excellent!!!
23世紀の地球を舞台にした、SFホラー作品です。
読んでまず思ったのは、「あり得ない話ではないかも?」
この作品では温暖化が進んで灼熱の地獄になり、地上に住むのが困難です。よって、人類は地下に住んでいます。
そこはAIが管理する、ある意味快適な世界。人間はもはや考えることをしなくていい。AIに任せれば楽ちん。
けれど、その世界に適応できない人間というのはいるものです。
それが主人公である、純。
純は不適合とみなされ、なんと食肉工場行きにされてしまうのです!!
えぇーっ!!そんなの実際に起こるわけないよっ!と思う人もいるかもしれません。
けれど読む進めていくと、この世界の様相がわかってきます。
管理社会ということで、実に合理的です。犯罪抑制のためでしょうか? 娯楽と嗜好が制限されています。
でも、人間の欲求ってなくならないと思うんですよね。
合理的思考と、美味しいものを食べたいという欲求が暴走した結果が、人肉なのかなって。
この肉は食べていい、この肉は食べて駄目。それを決めるのは人間ですからね。
人間が「適応できない人間は生きるよりも、人肉となって役に立ったほうが人類のためになる」と決めたら、そうなっちゃいますよね。ダークですが。
けれど、希望はあります!!
この世界を変えるべく立ち上がった人々がいるのです!!頼もしい!!
だけどなんとなく、読んでいると不安が募ります。
「大丈夫なのかな? この作品ホラーだしね?」
この作品がどこに行き着くのかは、わかりません。
作者の無雲さんは読者に希望を与えるかもしれないし、または絶望かもしれない。はたまた、あっと驚く結末かもしれない。
どきどきハラハラぞくぞくしながら、更新エピソードを読んでいます。
この世界、どうなるのでしょう。ラストになにが待っているのか、楽しみでもあり怖くもあり。
ホラー描写が苦手な人でも読めると思いますので、ぜひどうぞ!