まず度肝を抜かれるのは、聖書 × ホラーという異色の組み合わせです。
この歴史的・宗教的モチーフを独自の見解と巧みなアレンジによってホラーとして成立させている作者、星都ハナス氏の筆力が凄いのです。
現代社会という新たな視点を得た〝十戒〟が、恐怖へと変換されて行く過程において、裁きという名の救いをもたらすモーセの復讐がどんな形で果たされるのか、深く濃い心理描写と相まって、読み進めるほどに緊張感が高まります。
物語の中で、モーセは一つ一つの十戒に聖書の中の人物を召喚します。誰もが知っているあの人やこの人……。いったい誰がどのエピソードに登場するか? それは見てのお楽しみです。彼らの活躍もまた見事なのです。
それぞれが本来持っている象徴性や背景を踏まえた上で、悉く適材適所にキャスティングし得る様は、聖書に精通している星都ハナス氏ならではのチート級離れ技と言えるでしょう。まさに圧巻です。
聖書を知っている読者なら勿論、そうでない読者の方々も、何卒、現代に甦るモーセの復讐劇をその目で見届けてくださいますように。
知的でスリリングなホラー作品「聖書ホラー『十戒』モーセの復讐」
自信を持って超お勧めします。
この小説には「AI本文一部利用」のタグが付いています。
作者様がAI使用で書かれると知った時、私は「AIが最も駆逐し難いようなカクヨム作家さんが何故!?」と思いました。何しろ、カクヨムコン短編で2回受賞されている程、発想も文章も抜け出た方です。
でも、賛否両論の今、自らAIを使って最大のイベントに臨まれる自体、私は創作姿勢として格好良いとも感じました。
題材が、作者様お得意の聖書でモーセ。
絶対にご自分で書けるテーマをAIと共作されるのです。
この様な創作的な挑戦を拝見できる機会は滅多にありません。
そして、そんな覗き見根性、数万字を拝読する頃には忘れました。
出続けるホームレスのモーセは令和の日本に馴染んでいるのに威厳があり、章ごとに入れ替わる聖書由来のキャラクター達はコンパクトな出番と文章で皆、原典の風合いを香らせます。
そして、現代日本の社会問題と十戒が確かに結び付きながら、後半へと盛り上がって行く小説としてのエンターテイメント性。
一言で言えば、魅力的。
全体としていつもの作者様と文の肌触りは違うと感じます。
ですが、それがこの小説に合った味わいに一役買っていると存じます。
そして、文章の奥からは決して消えない作者様の「温度」。
流石は『ダビデの●の穴のシワまで想像出来る』とAIと戦う作者様です。
知識も経験も豊かで、想像の源が計り知れない方はAIに個性を消されたりはしませんでした。
AIがもたらす小説執筆へのバリアを解消する力は、このように使うのか、と今、噛み締めています。
今までどうしようもなく凝らせて来た視点や感覚、経験を小説に変換・解放することが当然になる日が近いのかもしれません。
『聖書ホラー「十戒」モーセの復讐』は、十戒というキリスト教の象徴的な倫理と戒律を、現代社会の痛烈な批判として大胆な試みをした作品だと思います。
古代の預言者モーセが現代に復活し、罪を聞くことで動き出す設定は、ホラーの緊張感と思想性にうまく結びついており、人の心の闇や社会的な破綻・倫理の崩壊が、これこそ、ハナスさま作品と思わせる筆致で描かれています。
というのも、読者に今を問いを投げかけるような物語なんです。そこに単なるホラー以上の深みを与えています。かといって、難解なストーリーではなく、読みやすい文体で、サクサクと読むことができます。さすが、作者さまの力量って唸ります。
一つの罪に一つの物語。
作品はモーセを主役に一戒を一章に。読み切りなっているところも読みやすいです。読後に余韻が残る作品です。
まだ八戒ですが、タイトル通り十戒まで物語は進むのでしょう。
続きが楽しみで仕方ありません。
どうぞ、お読みください。傑作です。
渋谷のホームレスとしてよみがえったモーセという設定がとても個性的で物語に入りやすく、どんどん読み進められます。
モーセは都会の雑踏のあちこちで十戒の破られる音を聞き、復讐という名の救済へ向かいます。が、それはけっして痛快なハッピーエンドではありません。むしろモーセの目を通して世の中の不条理と傷に直面させられるのです。
十戒が破られる音は、人間の心が壊れる音。そして壊れた心の闇にはいとも簡単に蛇が入り込む。人の心を操る悪魔としての蛇の言葉は直線的で、人間の心の脆さ弱さを見せつけられます。
それぞれのエピソードに即した聖書の人物を召喚するところなど、聖書に造詣のある筆者ならではの語りで、社会問題と十戒をうまく組み合わせ、ホラー仕立てのエンターテイメントとして昇華されています。
現代の社会に生きる者に色々な問いを投げかけてくる作品です。
聖書のことは聞きかじるくらいしかわかりませんが、ともかくサクサクと読めてしまいます。
現代社会には、さまざまな闇が潜んでいます。
きっと、この社会に生きる人間一人ひとりの中に、大なり小なりの闇が存在しているのではないでしょうか。
誰しもが抱える闇。
それを抑えつけることができるのか否かは、それもまた個人で違いがありますよね。
悪の囁きに背中を押されて、その闇を増幅した人々は、決して他人事ではないと思います。
いつ、自分も足を踏み外すか、そんなリアルな怖さがじわじわと読者を追い立ててくるよう。
モーセの裁きは救済ですが、救われるためには、それ相応の対価も必要なのではないでしょうか。
人は罪を犯します。
しかし、その罪を認める強さが必要ですね。
ただものではないホラー作品です。
とても考えさせられます。
タイトルが不穏です。
まず「聖書ホラー」
聖書なのに、ホラー。それとも、聖書だからホラーだというべきなのでしょうか?
聖書には、悪魔や死人がごろごろ出てきますからね。
次に「モーセの復讐」
モーセが復讐!?どうして?と謎です。
そして、あらすじを読んでびっくり!!
なんと、モーセが令和の渋谷にホームレスとして転生したってさ!!!
モーセがホームレス……なんかわかる。似合いそうと思ったのは、私だけでしょうか?
さて、作品の中身です。
第一章が始まったばかりですが、早速、悪魔が少年に囁いて殺人事件が起こります。
モーセは復讐を決めます。
どんな復讐をするのでしょうか?
モーセですから、旧約聖書に基づいた復讐なのでしょうか?それとも令和版にアップデート?
序盤を読んだ感じ、モーセは真面目です。復讐について、葛藤を抱えている様子。
復讐の他にも、魂の救済というキーワードがあります。
モーセがどのように復讐をしていくのか、この先のお楽しみですね。
モーセはサムソンを召喚します。彼はわかりやすいです。パワーを感じます。
サムソンの他にも複数召喚するようですが、それぞれの人物に個性があるのでしょうね。そのあたりも、楽しみです。
作者の星都ハナスさんは聖書の知識がありますから、安心して読む進めることができます。