概要
そこには確かに小さな灯があった。
1945年8月のある日。
呉市で働いている上原は、広島市内で暮らす一人娘の洋子と線香花火で遊んだ。
上手く出来ない洋子に、上原は線香花火のコツを教える。
そして、親子三人での「どれだけ線香花火を長くもたせることが出来るか」という勝負の行方。
「第二回 さいかわ葉月賞」参考作品として出品させて頂きます。
※太平洋戦争に関連する記述を含みます(直接的な暴力描写はありません)。
苦手な方は読むことを避けてください。
呉市で働いている上原は、広島市内で暮らす一人娘の洋子と線香花火で遊んだ。
上手く出来ない洋子に、上原は線香花火のコツを教える。
そして、親子三人での「どれだけ線香花火を長くもたせることが出来るか」という勝負の行方。
「第二回 さいかわ葉月賞」参考作品として出品させて頂きます。
※太平洋戦争に関連する記述を含みます(直接的な暴力描写はありません)。
苦手な方は読むことを避けてください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!火薬と夏。8月5日と今日の夏が重なる。
この小説は、8月5日に「原子力爆弾の発明には20年かかる」と言われた翌朝にその事件が起こったことの、たった数時間ばかりの奇妙な夏の、生々しいタイムスライスです。
終戦記念日が夏の季語になるくらい、八月と戦争は我が国で一体です。けれど当時を知らない我らにとって、戦争と八月が空気感を伴って結びつかずにもいます。
以前、呉港にいったとき大きなタンカーのようなものが造船されていて、大和が停泊していたらあんな感じだったのかなと思いました。
この小説の冒頭では、坊ノ岬沖海戦で「大和さえあれば」のすがるような幻想が崩れ去ったあとの海であり、大和がいない海という意味では、今日の呉の海と変わらないのですが…続きを読む