人知を超えた「花の怪異」たち。それぞれ異なる三つの興趣に酔いしれます
- ★★★ Excellent!!!
それぞれタイプの異なる三つのホラー。どれもが大満足なクオリティでした。
「女郎花・男郎花」:人知を超えた「花の怪異」の男女が、死亡した子供の魂を観測する話。
「菊」:とあるオフィスに伝わる不思議な話。ぼんやりとした意識の中で「菊」がお供えされているのを見た男は、「菊神様」という言い伝えを聴く。
「柊」:幽霊の見えてしまう少女が、いつも親しくしている「柊の妖精」の柊さんと霊について話をする。柊さんは問題が起こる度に霊現象を解決してくれるが……。
耽美な趣がある話や、土俗的な信仰の不気味さを描いた二作目、そして、どこかぶっきらぼうな「柊さん」と少女のやり取りを描く三作目。
サクっと読める長さながら、一作一作が確実に読む人の心に何かを残してくれます。いずれも「人を理性を越えた怪異の世界」を描き出し、怪異側から見る人の儚さだったり、怪異に振り回される人間だったり、または怪異と人とのあたたかな交流だったり。
同じ「花にまつわる怪異」を描きつつも、まったく違った興趣を読者に与えてくれる。とても贅沢な作品集です。