というと壮大な感じに見えますけど、嘘ではないのです。死力が悪いことに人としての尊厳は関係ないはずですが、なんとなく抱く視力検査の時の罪悪感。徐々に失われるものを思うと、じわじわと心が削られる。でもそんな人たちを支えることができるのがコンタクトレンズだ。今だにつけるのはド下手くそだけど、必要な場面があって助かる。日常の道具への想いが、こうして物語になる。不鮮明な生き方に、ちょとだけ光を。
小学校の視力検査で上手く答えられずにもぞもぞする感覚、あなたは感じたことありますか。私は裸眼で子どもの頃はへっちゃらだったのですが、大人になって何故か顕微鏡みたいな検査器具を覗くとぼやぼやして何も見えず。適当に右とか上とか言ってしのいでいます。視力が弱い主人公、そんな彼が初めてコンタクトに出逢った時の感動。そして、そこから彼が進んだ道。穏やかに綴られる絶妙な文章表現にも唸らせられる素晴らしい短篇です。ぜひぜひ。
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