拳を置いても、心は闘い続けている

燃え尽きた元ボクサーが、氷上という全く異なる舞台に再び立つ――
この設定だけで惹き込まれるし、描写の熱量が本物。
試合シーンの臨場感と、引退後の“空白”の静けさの対比が抜群で、
現代スポーツを題材にした作品としても新鮮さが光る。
再起ではなく“再燃の余熱”を描く、その渋さがたまらない。