雛でも駒でもない物語の始まり

本作は、やさしく叙情的な文体で始まりながら、静かに残酷な世界の輪郭を描き出すファンタジーです。
幼い存在の視点を通して語られる世界は、温もりと不安が同時に息づいており、読者は知らず知らずのうちに感情を預けてしまいます。
善悪や強さが単純に割り切れない世界観は、神話的でありながらも生々しく、成長と選択の物語へと確かに歩み出している印象です。
余韻を残す描写と、確かな構成力が光る一作でした。

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