仕事帰りに異世界へ――笑えて、ぞっとする“現代×精霊”開幕
- ★★★ Excellent!!!
語り口は軽妙でツッコミも鋭く、読者をぐいぐい引っ張る一方、ふと差し込まれる虚無感や孤独が刺さるのが本作の強み。
現代日本の“限界会社員”の乾いた視点から始まり、世界樹・精霊・儀式魔術めいた現象へと、科学と魔法の境界をなぞるように世界観がスライドしていく構成が巧いです。
派手な現象描写は映像的で、虹色の光や魔法陣の積層が「美しいのに不穏」という独特の空気を作る。
さらに、勇者を名乗る少女との噛み合わない掛け合いが緊張を程よく緩め、キャラの輪郭を一気に立てます。
笑いながら読み進めた先で「この世界、想像より危ないぞ」と気づかされる、そんな導入編でした。