終章
遺書
『 いつからだろうか、私の頭の中で声が響くようになったのは・・・・・・
「また助けられなかったな・・・・・・」
「相談役が病院通いとは呆れるな・・・・・」
「おまえ、向いてないよ・・・・・」
私を嘲笑するような言葉が、何度も何度も頭の中を回る。
声の正体は私自身の心の声だった・・・・・・
声はいつからか私を責める言葉に変わっていった・・・・・・
言葉は次から次へと私の心を傷つけていく・・・・・・
最後にその声は私にこう話しかける・・・・・・
「もう、いいだろう・・・・・・」
私は、私自身の声に従う事にした。
相談役という私の立場から生徒達が自殺の理由と考える者が現れるかもしれないが、それは大きな誤解だ。
佐藤ゆか
栗田ちひろ
水野しずか
宮田すず
清水あや
山本あい
小西まき
境みなみ
彼女達には何の罪も無い、私を相談相手として心を開き、話してくれた彼女達に感謝している。
それよりも、彼女達を救えなかった自分への失望には耐えられない・・・・・・
もう、いいな・・・・・・
これが、私の出した答えだ。
彼女達の思い出と共に相談日誌にこの遺書を挟んでおく 』
――遺書を読んだ時に全てを思い出す事が出来た。私は彼女達を救う事が出来なかった自責の念から自害したのだ。
血を流す、境みなみさんを置き去りにして、相談室で服毒自殺を図った。
床には転がった薬の瓶と錠剤を手に取る・・・・・・そう、この薬を大量に服用したのだ。
私は、もうこの世の者では無い・・・・・・全てを思い出した。
相談室の扉を叩く音がする・・・・・・
「先生・・・・・・」
扉の向こうから声が聞こえた・・・・・・彼女達の声だ・・・・・・
「先生・・・・・・こっちにおいで・・・・・・」
私は彼女達に呼ばれている・・・・・・
行かなくてはいけない・・・・・・
私は相談室の扉を開いた・・・・・・
奇妙な相談日誌 ――少女忌憚集――〈完〉
奇妙な相談日誌 ――少女忌憚集―― 遠藤みりん @endomirin
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