宗教と哲学が交わる不思議な寓話――読後に余韻が残る神秘的な物語

タイトルの通り「神曲」という大きなテーマを掲げた作品で、重厚さと不思議さが入り混じった雰囲気が印象的でした。読み進めていくと、宗教的・哲学的な問いかけが物語の随所に散りばめられていて、ただの物語というより寓話のように感じられます。

一方で、言葉選びや描写が難解に感じる部分もあり、正直「一度読んだだけでは全部を理解しきれないな」と思いました。でもその読みにくさすら、この作品の神秘的な雰囲気を強めていて、読後に考えさせられる余韻が残るのは確かです。

総じて、物語を追うというより“世界観に浸りながら問いを考える”タイプの作品。寓話や哲学的ファンタジーが好きな人におすすめです。

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