物語は、人間の弱さと罪悪感を照らし出し、静かな緊張感に引き込まれる

第1章~2章まで読んだレビューになります。

第1章では“ミズチを殺す”という強烈なタイトルに負けない緊張感のある導入が描かれ、第2章まで読むと物語のテーマが少しずつ見えてきました。怪異との対峙はただのバトルではなく、直人自身の心情や迷いが絡んでいて、人間の弱さや罪悪感にフォーカスされているのが印象的でした。

直人の行動や選択は一筋縄ではなく、善悪どちらにも寄りきれない“生々しさ”が魅力です。一方で、描写が淡々としているため、キャラの感情をもっと掘り下げてほしい場面もありました。ですが、その抑制された語り口がかえって余韻を生んでいるのも事実です。

第2章の時点で既に物語の方向性に引き込まれていて、完結済みという安心感もあり、続きを読みたくなる作品だと感じました。

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