概要
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「どこから来たの?」「……地球」
見慣れた風景が、その一言で揺らぎ始める。
異なる立場の主人公が、それぞれの視点で世界を見つめ、静かに“違和感”を覚えはじめる。
選択の先、人生が交錯するとき、
“地球”という言葉は反転し、
この世界の真相が浮かび上がる。
最後に選ばれるのは、生か、死か。
この物語を終わらせるために。
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※更新予定は目次をご覧ください
※第4話くらいから少しずつ真相が明らかになります
※多分広義では異世界転生です
※人によっては残酷と感じる描写を若干含みます
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!非日常はおもむろに来る。
登場人物の話し方、行動が明確に書き分けられていて上手い。アメリカ社会のように多様な民族、言語がひしめく乱雑さ、小説的な繊細な感性を持つ者がいる一方、少々振る舞いの荒っぽい男がいて、学者のように冷静な女性がいる。その個性があるからこそ、テーマについて考えさせられるところも大きい。
緩急はどちらかというと緩やかな方だろうか。場面場面でキャラクターたちはしっかりと思考し、確信を持って行動する。しかし葛藤する人間も数多く、その揺らぎがまた物語に重厚さを加える。
描写は静謐と言うより他にない。すべてが的確な叙述と言葉の美しさに包まれて、丁寧だ。その文章力で日常と非日常の二つの表現を同時に使い分けるのだ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「私の指先が母を『地球』に送った記憶は、鮮明に脳裏に焼きついている」
仮想の楽園《SE-HASS/シーハス》
そこは、人類最後の理想郷と名高い『地球』である
死ぬ前に脳を摘出して記憶を封じ、意識格納装置へと接続することで、新たな生を始めることができるのだ。
美しい星で、安らかな再誕を!
——地球って、自由ですか?
人はいつか地球に還れる。
美しい星で、永遠に心を漂わせ続けられるのだ。
——地球って、自由ですか?
足取りはいつもと変わらない。
病室に行き、患者を看取り、淡々と書類にサインを求めるだけ。
——地球って、自由ですか?
意識がない状態が長く続くと、脳の保存に影響が出る可能性がある。
脳を液体の中に閉じ込めるのは、早いほうがいい。
「……地球っ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「地球」という一語が、現実という水面を震わせる。
未来都市に漂う、ほのかなディストピアの匂い。
本作は複数の視点が静かに交錯しながら、閉塞と謎を少しずつ積み上げていきます。
繰り返される日常に潜む違和感──それを登場人物たちは、いつの間にか“当然”として受け入れているという違和感。
病なのか、陰謀なのか、それとも……?
視点が切り替わるたび、読者の手元には新たなピースが転がり込み、パズルはますます複雑さを増していきます。
いまのところ、各人物の物語は並行線を描いているようでいて、概要によれば第4話付近から真相が見え始めるとのこと。
これらの断片がどこで重なり、どんな全景を描くのか──その瞬間が待ち遠しい作品です。