果たして、この『世界』で何が起きた? やがて、パズルの如く一つの事実が

 シチュエーションが面白くてぐいぐい引き込まれました。

 ずっと引き篭もりの生活を続けていた主人公。
 しかしある時、周りから人の姿が消えていることに気づく。

 聞こえるのは謎の少女の声。「ずっと閉じこもっているの?」と。

 果たして、「世界」では何が起こったのか。

 とにかく想像力を刺激されます。「自分だけを残して全ての人間が消えてしまった?」、「自分が知らない間に家の中でなんらかの惨劇が起こった?」と。

 少しずつ見えてくる「不穏な痕跡」の数々。パズルのピースのようにそれらが繋がって行き、「何が」起こったのかの全貌が見えてくる。

 そして今まで見ようとしなかった「死角」が提示された時、ゾワリと世界が一変します。
 臨場感や没入感が高く、夢中になって読めること間違いなしな作品です。