迂闊に見てはいけない秘密。……って、こっちの方か!!!

 もしかして、何か「怖いこと」が起こっちゃう感じ?
 途中展開でそういうことがチラリと頭をよぎりました。

 主人公の結菜ちゃんは「怪獣」が大好きな女の子です。本作の世界では、地球が「星間連合」に加わって、多くの異星人が地球にやってきている時代が描かれています。

 異星人の中には怪獣そっくりな姿の者もおり、「怪獣が大好き」な結菜はそんな異星人のフローリアさんたちと仲良くしたいと思っている。
 そして「回覧板」を渡しに行く用事ができたので、これ幸いとそのお宅を訪問することに。

 その先で、彼女は偶然に「あるもの」を見てしまう。

 ここからがSFの見所です。「異星人」と言えば、地球人とは考え方も違うだろうし、異なる科学技術を持っている可能性もある。地球人にとっては残虐極まりないようなことでも、彼らにとっては「普通」のことかもしれない。

 ……なんてことが、読みながらフワッと頭の中に浮かびました。
 もしや、そんな特性が絡んできて、これから怖いことが? と。

 そう思ってしまう辺り、グリム童話の「青髭」みたいな物語の類型に毒されていたのかもしれません。
 「良く知らない家」の中で「そっとある部屋の中を見てしまう」なんてこと。それは「禁忌」を破ることに繋がり、ホラー展開になるに違いないと。

 でも、現実には違う。「見られたくないもの」って言ったら、「そっち」じゃなくて「こっち」が大多数だよね、と。
 そんな盲点を突いてくるオチに、共感性MAXでした。

 この後の結菜ちゃんが「彼ら」とどう付き合っていくのか。その後の話を想像するとニヤニヤさせられます。

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