王道の魔王討伐物語に「頻尿」というスパイスを加えただけでこうも面白くなるのか、と発想の妙に驚かされました。
容姿端麗で最強。初対面では完璧にしか見えない勇者。彼には唯一にして最大の弱点――頻尿体質があった……。
彼はもはやどうやって睡眠を取ってるんだというレベルの頻尿で、一日に平気で100回程度はトイレに行かなければなりません。勇者一行の他の仲間たちは呆れ返りますが、結局一番大変なのは本人なのかもしれません(笑)。
「排泄欲」を戦闘のエネルギーに変えて立ち向かったり、尿の特性を活かして戦ったりする描写には手に汗握りました(???)。
一発ネタのような設定ですが、コメディーとして綺麗に嵌まっていたと思います。お見事でした!
これは本当に切実。でも、意外と「あるある」なのかもしれないと思わされました。
勇者モレル。彼は実力も高く、容姿も端麗。そういう一見では完璧超人とも言えるような勇者だった。
だが、彼にはどうしようもない弱点があった。
それは『トイレが近い』こと。
RPGをプレイしていて、疑問に思ったことのある方は意外と多いのではないのでしょうか。
「この人たち、普段はトイレとかどうしているんだろう?」と。
本作の主人公は体質的にその問題がより強く迫って来るため、「五分前に行ってきたのだけれど」と、どんなに万全に準備をしようと思っても中々対処できないという業を背負っています。
そんな彼はバトルには激しく集中する。なぜなら、早くトイレに行きたいから!
本作は、RPGの世界における「切実な問題」に鋭く切り込んでいるのが特徴です。もしも、「ファンタジーでの重要場面」でトイレに行きたくなったらどうするか。
そんな「もしも」が緊迫感ある描写でシミュレートされ、読者の心に強く迫ってきます。
いつか、異世界転生してファンタジー世界で大活躍したい、という願望を持っているあなた! あなたにとっても、「これ」は他人事ではないかもしれませんよ?
本作を読み、その手の問題に自分ならどう対処するか。それを「予習」しておく意味でも必読の書だと断言できます!
人には守ろうとするものがある。
それは平和と名誉だ。前者を手にすれば、後者も大抵は同時に手に入る。
しかし、それを出来るのは、一握りの勇者のみ。全員が全員、同じルートを辿れるわけではない。
人の持つ力の総和は変わらない。であれば、後者を手放せば、前者に全振りできる。
これは、ある勇者の半生と反省を綴った吟遊物語。
この歴史から得られる教訓は、旅に出る時はオムツの携行を忘れずに、ということだ🤭。
筆者と私が、緊急同盟を結成することになった(同盟の結成はまだ受け入れられていないが😅)、異世界ファンタジー、いや、異世界不安多事における歴史的転換点となるこのギャグストーリーを見逃すな!
いやあ……実際、頻尿とは切実なものでしてね……。
三時間の映画を、映画館で見ることに恐怖を感じます。
移動がながい電車で、不安になります。
トイレがとにかく近いので、何度も廊下を行き来するところを目撃され、「ウォーキングデット」というあだ名がつきます。
これねほんと……食べるのは我慢できるんですよ。でも、出すのって我慢できませんからね!?
これは、そんな私と同じ悩みを持つ勇者の物語にございます。
彼が気にすること、それは……自分の下半身の憤り具合。それのみにございます。
まあ、確かなウデを持ってるんでしょうな。そして、男前ではある。
しかしーまあー……
とにかく何かにつけてトイレを探したがるもんだから旅のテンポの悪くなること、悪くなること。……旅行中の私もこんな感じですな。
しかし、規格外の頻尿であるこの男、それだけじゃないんです。
強敵に囲まれても、気にすることはトイレ。
「すまん!」といって戦線を離脱する始末。
ラスボスで、他のパーティーが全員やられ、ボスとの一騎打ちになった時ですら!
「トイレに行っていいか!?」などとボスに交渉する始末。
……こんなこと聞く勇者未だかつておらんかったでしょうな。
そして、ボスとの決着をつけるきっかけになったのもまた……
これは、あんがい。
『トイレ』の描写がないRPGの世界において、実にリアルな話だと私は思いますよ。
破天荒な頻尿勇者。
ぜひ、ご一読を。