滋賀県で、とある駅伝が開催された。その名は『伝言ゲーム駅伝』。
走るコースは琵琶湖畔。
駅伝といえば、走者が肩に掛けるバトンだ。
しかし、この駅伝は普通とは少し、いや、かなり違う。
この『伝言ゲーム駅伝』では、全チーム共通で決められた「合言葉」を伝言しながら繋いでいく。最終的に、アンカーがゴール地点で正しい「合言葉」を申告することで、ゴールになる。
そんな『伝言ゲーム駅伝』で、Q大学のアンカーである大場は、第九走者がやってくるのを、今か今かと待ち侘びていたのだが——といったお話です。
駅伝という設定に、本格的な知能戦を入れてきたのがとても面白いと思いました。本来の駅伝でも知能はかなり使うと思うのですが、本作は『伝言』や『合言葉』を通して、駅伝中の知能を使った競争をさらに過激なものにしています。
物語の展開もお見事でした。2500文字に満たない短い話の中で、このようなまとまった起承転結を書けるのは、お世辞抜きに卓越した技巧を持ち合わせる、作者の天野様の実力だと思います。
『伝言』を絡めた謎解き要素が素晴らしいため、物語の結末を予想しながら読んでいただきたい作品です。
ぜひ、ぜひご一読ください!
最後まで読んでみて、「へえ、なるほど!」となりました。
琵琶湖畔で行われた駅伝大会。そこでは一風変わったルールが採用されていた。
通常の駅伝は走者から走者にタスキを渡す。だがこの大会では「伝言ゲーム」として合言葉を受け継げばよいという形に。
つまり、直接次の走者のもとへ辿り着かなくとも「合言葉」が何かわかれば先に進めるというルール。
そのため、ジェスチャーによって意思を伝える作戦が取られることに。
そうして「駅伝大会」ならではな形でキーワードを読み解き、「勝ったか!?」と確信できそうになるが……。
最終的に提示される「答え」を知り、「おお!」と驚きがあったのが何よりも良かったです。
「だから、この設定なのか」とそれまで見ていた情報の数々が収束し、ストンと落ちる感じ。ミステリー的な興趣もあって満足感が非常に高かったです。
滋賀県大津市で伝言ゲーム駅伝というのが開催される。
それは合言葉を使ってスタート地点からリレー形式でその言葉を伝えていき、アンカーがゴール地点で正しい合言葉を言えれば、ゴールと判定されるという催し。
ジェスチャーなどで遠くから伝えることができればその時点で走り出せるので有利、でもそれにはデメリットもあり、タスキじゃなくて合言葉を繋いでいくことでいろいろ戦略性が生まれていて、非常に面白いと思いました。
最後は意外性のあるヲチもあって、ミステリーが得意な人が駅伝の作品を書くとこんな素晴らしい頭脳戦を描いたものになるのだなと感心させられました。
短くてサクッと読めるので、空いた時間に是非読んでみてください。