冒頭から強烈に、「怖いもの見たさ」を刺激される作品でした。
最初の「被害者」と見られるのは、とある悪質な訪問販売を行っていた男だった。かなり強引な手法で商売を続けていたらしいこの人物、業務の最中に「奇妙な張り紙」が出ているのを目にしていたことがわかる。
『ギョムイ様が眠ってます。チャイムは決して鳴らさないでください。ならすと』と。
その後、謎の失踪を遂げたらしい訪問販売員のN。
なんと言っても、この人物が「厭な人間」であるところに心を惹かれました。こいつは間違いなく、「なんらかの酷い目」に遭ったことが推し量れる。
でも、全然かわいそうじゃない。悪質な訪問販売員に悩まされたことは、現代人ならかなりの人数が経験しているのではないでしょうか。
その時のイラッと来る記憶と共に、「その手の人間なら、別に痛い目に遭っても」と突き放した気持ちにもなれます。
そうしてすんなりと「怖いもの見たさ」に没頭することが出来る。
その後にも出てくる謎のパーツの数々。「大量のヨモギ」を買っていた理由は何か。そして、そもそも「ギョムイ様」とは一体何か。
次第に見えてくる「不穏な言葉」の数々。ひたすら想像力を刺激され、「そこ」に眠っていたのはどんな存在だったのか。過去には一体どんな「やり取り」があったのかなど、あれこれと想いを馳せることになります。
ホラーならではの「想像させる」ことでゾワっと来る何かを提示してくれる、モキュメンタリーならではの楽しさに満ちた一作でした。