異世界物価と妖精と、僕の再出発
- ★★★ Excellent!!!
痴漢の濡れ衣で、すべてを失った。
会社は解雇。家族は去り、住む家すら失った。
男は一人、駅前の公園で夜風に打たれ、すべてを失った現実に、ただ呆然と座っていた。
そのとき、不意に現れた階段を、ただ無意識に登った。
気づけば――月が二つ。
常識が崩れた世界が、目の前に広がっていた。
レジもないコンビニ、銭で買えるラーメン、
生体認証の鍵、地域で季節が異なる異様な街並み。
そして、喋る、飛ぶ、放電する、
白くてフワフワした毛玉のような妖精との出会い。
「私を育てろ。そうすれば、きっといいことがある」
人生をすべて失った中年男は、
何も信じられぬまま、その言葉に乗ってみることにした。
目指すは北の果て。
伝説の《ゴールデンラベンダー》と、《不凍の化身・青いエゾサンショウウオ》。
これは、全てを諦めた男と、静電気を武器にする妖精が歩む、
もしもの人生の、その先の物語。