四ヶ月から七年〜私の職歴詐称の千日〜

放浪なフリーター生活に終止符を打ち、一発逆転を狙う32歳の主人公・藤澤美咲。より良い年収と待遇を求め、未経験の金融業界への転職を決意する。そこで彼女は、職歴詐称をし、履歴を作り直した。その中では最も大胆な偽造は、たった四ヶ月の事業会社勤務を七年の華麗な職歴にすることだった。

見事、大手金融機関に採用された美咲は、聡明で優秀なキャリアウーマンを演じる日々を送る。しかし、実際の業務は右も左も分からず、専門用語が飛び交う会議では冷や汗が止まらない。知ったかぶりと巧妙な誤魔化しでなんとか乗り切るものの、いつ嘘が露見するかの恐怖に常に苛まれる。

上司からの期待とプレッシャー、周囲の優秀な同僚たちとの能力差に悩み、自己嫌悪感は募っていく。誰にも相談できず孤独を深める美咲だが、「今更後には引けない」と…続きを読む