父子鷹、舞う!
- ★★★ Excellent!!!
奇才・青山氏のこれまでの人生を将棋の感想戦になぞらえて振り返る私小説風の作品。
成績優秀だったご尊父から厳しくも愛ある薫陶を受け、幼少期よりその多彩な才能を勉学・スポーツ・将棋・音楽・ご自愛などに発揮されてきた氏の、創作の原点を垣間見た気がする。氏の気質であろうか幾分しょっぱい思い出が多めで甘酸っぱい浮いた話は微塵も出てこない。次は氏の女性遍歴を綴った「人生のピロートーク」なるタイトルも読んでみたい。いくつになっても人生には彩りも重要だ。同年代の私自身、人生の折り返し地点を過ぎてなお自分がまだこんなにご自愛することに驚いている。中学生時代とまではいかなくとも、30代中盤程度のご自愛はキープしているのではないだろうか。人間、心がけ次第で暦年齢と生物学的年齢は乖離していくのだ。氏もこれからの創作活動のためにも体力づくりに勤しんでいるとのこと、我々読者を長く楽しませてもらうためにも、ぜひとも盛大にご自愛いただきたい。