荒ぶれる半生は波瀾万丈、悪手の荒波をかき分け内省を記す人生の盤上

将棋は対話、時に人生に例えられる。わずか9×9マスの世界でも時に激しく、時に鮮やかに人生のドラマは繰り広げられる。
持ち駒増やすは富の如く。終盤に見出すは詰みの筋道。感想戦は敗者のために行われ、その後の活路を見出すための人生の礼儀作法でもある。

本作は作者様が半生を振り返り、将棋に準えた貴重な自伝的記録である。
失敗の数だけ感想戦はある。
己と対話しながら。前に進もう。一歩ずつ。
あらためて思う。
振り返ることのできる人はどこまでも尊い。

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