人間到る処文学あり
- ★★★ Excellent!!!
「じんかんいたるところぶんがくあり」
五言絶句なんぞムーンサルトしたってひねり出せない私には故事成語をもじるくらいが精いっぱいである。つまり青山翠雲氏の芸術性がバチクソ高いのに親しみやすい、エロいのに高尚な文学は、この人生経験から生み出されたのである。
特にフルシチョフを登場させるあたりが私のツボに入った。フルシチョフはスターリン批判を行った人物である。スターリンによる恐怖政治を静かにしたたかに生き抜いた男フルシチョフとケネディでなければ、人類初の核戦争勃発かと全世界を恐怖のズンドコに叩き落としたキューバ危機を阻止することは不可能だった。
さて、カクヨム初の波動砲発射で我々を震撼せしめた青山翠雲氏はいかなる人生を送って来られたのか。いや、これを読む前にまず、氏の小説群を拝読していただきたい。百二十倍お楽しみいただけること請け合いであるから。