概要
かつて、罪人として国を追われた魔術師たちが築いた、最果ての都市『マルカジット』。
望まず不死者となった青年は、長い放浪の末、死に場所を求めてその都市に不法入国を試みる。
行き場のない彼を拾ったのは、人形のように美しいひとりの少女だった。
名前を失い、他者との関わりを諦めた青年。
過去に囚われ、感情を閉ざした少女。
便利屋、情報屋、医師、役人、異種族……
さまざまな出会いと事件を経て、青年と少女の時間はゆっくりと動き出す。
過去の傷は消えず、失ったものは戻らない。
それでも誰かと出会い、関わり、生きていく。
これは、どこにもいけない二人が、手探りで居場所を探していく物語。
性癖全部盛
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!異世界の空気を感じるファンタジー世界観の描写に 嫉妬 して読んでいます
日々感想が変化します。
それは作者様の変化・成長などなど……巧みさの表れです。
最初は構成に難ありと思ってみてました。
しかし、すすむにつれて、文句の数が減ります。
異世界を描くうえで 作品を描くうえで
空気を感じるかどうかを、私は重要視しています。
この作品は、異世界の空気で満ちている。
それがマイナスな面もあるのかもしれない。
でも私にはくやしいほど魅力に映る。
世界が生きてるから、キャラクターが生きている。
血の通った世界で、魂のこもったキャラクターが息をしている。
羨ましい。
そう思います。
この作品を読んでまったく学びがないと言える人はほぼ、いないでしょう。
私は…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人形少女の話をしよう──。
薄暗い部屋の一角に、揺り椅子に座って船を漕いでいたんだ。青白いカーテンの隙間からはしんしんと降り積もる粉砂糖のような雪が見えてね。わたしはいつのまにかぬるくなってしまったミルクを口に含んで思うんだ。ミルクは苦かったか?とね。カップを覗いてみれば、淹れてあったのはコーヒーだったのサ。あぁ、たまには大人の味わいをたのしもうと、それに変えていたことすら忘れてしまってね。けれど不思議なことに、まぁもう1杯、もう1杯飲もうじゃないかと、ついつい口を付けてしまうんだ。
あぁ!なんてもったいない!
この苦くも甘い、あまりにも繊細な味わいの物語を読み終えてしまう日がくるなんて!
わたしは空になったカップを傍…続きを読む - ★★ Very Good!!灰塵の都市で求める、小さな心の居場所
拙いことばかもしれませんが、最初から最後まで、まるで長い夢を彷徨うような読書体験でした。
灰色の大地に浮かぶ都市――マルカジット。かつての繁栄を失い、魔力に蝕まれたその地で、人々は生を手にし、また失い、移ろう――そんな世界が、本作に息づいていました。旅人として彷徨い続ける不死の青年と、人形少女と呼ばれる静かな佇まいの少女。その出会いから広がる“居場所”を探す旅路は、淡くも鋭い苦悩と希望に満ちています。
全45話にわたるプロットの中では、それぞれの登場人物が、それぞれの陰影を伴って歩んでいました。老人や便利屋、不老不死を求める貴族、都市を管理する魔術官僚たち……彼らの言葉は冷たくもあるし、とき…続きを読む