概要
午前零時から零時十分。私の前に突如現れた、辛辣な人。
とある春休みの午前零時。日本中の学生のメッセージアプリに突然、見知らぬ人の写真やトークが表示された。僅か十分で収束したそれを人々がサイバー攻撃だとか超常現象だとか嘘か本当か判別不可能な噂をする中、私のメッセージアプリは依然混線したままだった。
身体を重ねたことを切っ掛けに、繋がりが断ち切られたテニスサークルの先輩。
繋がらない筈の先輩とのトーク画面に現れたのは見知らぬ人で――。彼は優男を装った先輩とは違い、辛辣な物言いをする人だった。
『馬鹿なんじゃない?』
それでも、彼がいたから私は「私」になれた。
*祐里さん自主企画【新作のみ】主人公の半径5m以内、10分以内の出来事を純文学風に2万文字以内で書け(~2/28)参加作品*
身体を重ねたことを切っ掛けに、繋がりが断ち切られたテニスサークルの先輩。
繋がらない筈の先輩とのトーク画面に現れたのは見知らぬ人で――。彼は優男を装った先輩とは違い、辛辣な物言いをする人だった。
『馬鹿なんじゃない?』
それでも、彼がいたから私は「私」になれた。
*祐里さん自主企画【新作のみ】主人公の半径5m以内、10分以内の出来事を純文学風に2万文字以内で書け(~2/28)参加作品*
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!自分で思う自分に満たされ過ぎてしまった時に……。
こちらの物語を拝読させて頂き、僕は女の子と言う存在を考えました。
男女差別だとかそういう意味では無くて、女の子は女の子として生きているし、男の子は男の子として生きています。当たり前だけど、そういうものです。
もう少し言えば、人と言う生き物は人として成長しますが、性別という部分においては成長と言うよりも深化してゆくだけで、本質的にはあまり変わらないのだと思ったりする時があります。
そういうどうしょうもない「性別と言う烙印」、肉体的では無くて精神的にという意味です。僕は思うのですが、精神的に人と言う存在は「性」から逃れられません。
こちらの物語ではそういう女の子が、「女の子ならではの形」を…続きを読む