竹田から吉野へ愛を込めて・ハンサンチョギン（神秘的な）

　　　　あらすじ
大学を卒業した理久男は大手の証券会社に就職が決まっていたが、出社までの期間がある事で、以前から懸案としていた亡き祖父の生まれ故郷、大分竹田の屋敷跡を辿る旅に出る事にした。新幹線で東京から九州へと乗り継ぎ熊本駅に降り立った。七年前の熊本から阿蘇に登った中学の修学旅行の記憶があった。直ぐさま乗り捨てレンタカーで、熊本城・水前寺公園を巡り回ったが、記憶の風景とは少し違っていた。その夜ビジネスホテルに一泊した時、熊本震災の一発目に遭遇し、人間が太刀打ち出来ない地底からの脅威を感じた。辛うじてホテルは無事で寝不足のうちに朝を迎えたのだが、前日とその夜、女難の相らしきものに出会い、持病の頭痛が起こったが、この二つは祖父からの隔世遺伝だと祖母から聞いていた。翌朝、旅を中止しようと迷いなが…続きを読む