概要
二人の出会いは偶然だった。けれど、世界を救うために戦ったのは運命だった
舞台は現実の地中海によく似た異世界。そこに一つの島があった。名はバリエウス。
南東部で海に面する都市国家アイヴィでは、世界を救うためにその身を捧げた女神キュベベが崇拝されていた。
そんな島で間もなく正式に神官となる予定だったキプスは、ある日の朝、海岸沿いに打ち上げられた美しい少女と運命的な出会いを果たす。
その出会いが自らの秘密を明らかにし、ひいては世界を救うことになろうとも知らずに……。
古代ギリシア風の異世界ファンタジーが、今ここに開幕!
物語りの鍵となるのは『夢』、『託宣』、『幻』、そして『恋心』。
ミニチュア・ヒストリカルロマンスとして、もしくはウブな男子とそんな事情はお構いなしな少女の間に交わされる、どこかズレた会話などをお楽しみいただければ幸いです!
以下、簡単な島内
南東部で海に面する都市国家アイヴィでは、世界を救うためにその身を捧げた女神キュベベが崇拝されていた。
そんな島で間もなく正式に神官となる予定だったキプスは、ある日の朝、海岸沿いに打ち上げられた美しい少女と運命的な出会いを果たす。
その出会いが自らの秘密を明らかにし、ひいては世界を救うことになろうとも知らずに……。
古代ギリシア風の異世界ファンタジーが、今ここに開幕!
物語りの鍵となるのは『夢』、『託宣』、『幻』、そして『恋心』。
ミニチュア・ヒストリカルロマンスとして、もしくはウブな男子とそんな事情はお構いなしな少女の間に交わされる、どこかズレた会話などをお楽しみいただければ幸いです!
以下、簡単な島内
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!神話級の開幕と禁忌の出会いが疾走する、熱と哀しみを併せ持つ冒険譚傑作
神々の確執と世界の崩壊を神話調で開く導入が見事で、その流れのまま現代の物語へ滑り込む筆運びが痛快です。見どころは2つ。まず、神官見習いキプスが当番中に見た『白衣の女と一角獣』の夢──「掟を破って世界を救え」という託宣に揺れつつ、嵐の浜で漂着した少女セラナ(ムカデ女)と出会う場面。禁忌を越えてローブをどければ、濡れた髪と黒いチュニック、噴き出す海水に彼の常識が崩れ、恋と運命が同時に始まる瞬間が瑞々しい。次に、王タゲスの前で『罪』を問われたキプスを救うため、セラナが四肢をムカデへと変じて縄を断ち切る神殿脱出。信仰と政治が結託する圧に抗う肉体変化の迫力と、誰も傷つけたくないという彼の優しさの対比が…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!壮大な構想の元に繰り広げられるヒストリカルロマンス!
古代ギリシャ風の歴史ファンタジーのお得な荒川馳夫さんの最新作です。以下、「はせおさん」と言います。
本作は6万字弱の中編で、はせおさんの代表作、「ムカデを束ねる女王様」のスピンオフ版に当たると言えるでしょう。
ストーリーは、地中海のとある島、バリエウス島の神官見習いである主人公キプスが、ローブを海岸に落としてしまったところから始まります。この島では、「海と女は穢(けが)れ」とされ、忌避されていますが、海岸に倒れているヒロインのセレナを救出することで、この鉄の掟を破ってしまったのです。それが露見したキプスはセレナともども追放されてしまいます。
しかし、この掟こそ、島の陰の支配者ナナが、…続きを読む