第1話の冒頭から、旧世界の遺跡という世界観が緻密に構築されている。
故障で暴走した自律兵器、命令に従って警備を続ける機械、野生化した生物兵器の末裔——これらすべてが「モンスター」として存在する廃墟を、スラム出身の少年アキラが貧弱な装備のまま命懸けで探索する。「スラム街の子供という安値の命よりは遥かに高額なものが」という表現が、主人公の置かれた境遇を端的に伝えていて胸に刺さる。
そしてアルファの登場が鮮烈だ。危険極まる旧世界遺跡の廃墟の中に、武器も服も持たずに立っている比類なき美女——しかも汚れひとつない状態で。銃を突き付けても微笑みながら近付いてくるという、あらゆる「常識」を超えた存在として現れるアルファの異様さが強烈な印象を残す。
廃墟と廃コンビニの対比、スラム少年と謎のAIエージェントという出会いの構図——第1話だけで骨太なサイバーパンク世界への没入が完成している。
この作品を読んだ方は、まずは圧倒的な完成度の高さに驚くと思います。
これが本当に誇張とかではなく、有名なプロの方が執筆したのではないかと疑うくらいの構成力や表現力の高さ。それに加え、緻密で繊細かつ壮大な世界観や重厚な設定。また、一人一人の言動や態度に意味や説得力があることによる、まるで本当にキャラが生きているのではないかと錯覚するほどのリアリティ。を、味わうことができるでしょう。
なので、飛ばし読みや脳死で読むのではなく、じっくり腰を据えて、作品の世界に浸ることをおすすめします。
主人公は善人でも悪人でもないですが、敵対したら容赦ないです。
いつも死にそうになりながらも、武器装備や実力、稼ぐ額が少しずつ向上していくところがこの作品の魅力の一つです。
ある展開にするためだけに、キャラに違和感ある行動を取らせる、といったことが全くないので、安心して読み進められます。
勿論、合う合わないはあるとは思いますが、今後、あなたの名作トップ10が動くかもしれないチャンスを逃すことがないように祈っております。
【レビューコンテスト応募】を機に初レビューをしてみました。
久しぶりに読み返していますが、相変わらずの面白さですね。
更新再開するのを待っています。
アキラとアルファの出会いを起点に動き出す物語の歯車が、登場人物たちに容赦なく波及していく。
それはまるで、ビリヤードの玉を打つかのように。
ぶつかり、弾かれ、跳ね返る、その軌道は読めず。
予期せぬ方向へと転がり、また衝突し、そして――落ちる。
幸運と不運。意志と覚悟。望みと願い。
各々の思惑や願望が交錯し、それを嘲笑うかのように策謀がめぐる。
息つく間もなく展開していくストーリー。
読み返すたびに理解が研ぎ澄まされていく精緻な構成は、まさに圧巻の一言。
行を追うごとに世界の解像度は上がり、物語の奧部へと、さらに深く踏みこんでいく。
まさしく、「退屈な人生を遠ざけ、彩りを添えて」くれる最高の作品です。
SFは普段あまり読まないジャンルでしたが、本作に出会ってからというもの、
Web版も書籍もコミカライズも何度も読み返し、オーディブルでも楽しみ、考察を重ね……
それでもなお、新刊が待ち遠しい日々を過ごしています。
この作品に出会えたことで、自分もSFを書いてみたいとさえ思わされました。
趣味を超えて、人生の一部になるくらい面白い小説です。
これほどまでに強く、深く惹き込まれる物語に出会えた奇跡に、
そしてその世界を描いてくださった作者様に――心からの敬意と感謝をこめて。