隣にいるのに、遠い人。

広告代理店の新卒営業・佐伯一は、実力派フリーランスライター・工藤リノと広告制作を通じて出会う。

彼女の仕事への情熱に惹かれる一方で、他人との間に壁を作る姿に心を揺らす。

一方のリノは過去の傷から人を信じることを恐れ、一にも距離を置いていた。
プロジェクトを成功させる中で、互いに意識しながらも踏み込めないもどかしい関係が続く。

そんな中、高級リゾートホテルのオープン記念パーティーでリノが悲しげに佇む姿を見つけた一は、彼女の心の奥に触れたいと願う。

しかし、リノの過去の傷が二人の距離を引き裂く。
想いは募るが、告白はしない——。

それが彼女を守るための最善だと信じながら、一はただ彼女の隣にいることを選ぶのだった。