信号無視

まただ。また、この場所かよ。


高熱になると、必ず見る悪夢。
それは、山の麓まで続く大きな草木が広がる世界で、何かに追われて必死に逃げる悪夢。

恐怖と疲労が重なる中、少年は一軒の古びた家にたどり着く。
屋根は紫色で玄関は蜘蛛の巣だらけ。窓ガラスにもひびが入って、穴の空いたところにネズミが入っていくのが見えた。
いかにも魔女が住んでいそうな家だと少年は思った。

しかし内装は外観とは裏腹に華やかで、心の底から安らぎを感じさせる不思議な場所だった。


この悪夢は一体何なのか。あの魔女が住んでいそうな家は何なのか。
悪夢の正体に近づく——。