「憑依」をテーマに自由自在。人間ドラマの新たな可能性を浮き彫りにする!

 憑依や呪いをテーマに自由自在。多種多様な物語が味わえます。

 主人公である遅念(ちねん)は憑依や呪いを研究する「呪詛ゼミ」で教鞭を執る人物。学生たちを指導する一方で、憑依がらみの霊的事件を解決することも。

 本作ではそんな遅念たちが関わる様々な「憑依事件」を扱っているのですが、ここで出てくる事件のバリエーションの豊富さが何よりもの見所です。

 「憑依という形によってハッピーな人生に乗り換え、異世界転生みたいな状況を作ろうとする男」、「人形に死んだ人間の魂を憑依させて一緒に暮らそうとする者」など。
 登場するアイデアの豊富さと、その先で人々が迎える思わぬ結末。一話一話で発想の斬新さに驚かされると共に、「憑依」を巡って掘り下げられる様々な人間模様を覗き見ることができます。

 憑依。それは「霊という形を利用し、別の人生、別の可能性を作り出すこと」を意味する。それが人間の奥底に眠る様々な感情を生み出していくことに。

 超常現象を軸に、ホラー、人間ドラマ、ミステリーなど様々な物語を楽しめる作品です。

 これまでにない発想がいくつもあり、本作を読めば「憑依」という事象に対し新たな認識を持てるようになるかもしれません。

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