タグに『後味が悪い』って(^^;) 正直すぎません?
- ★★★ Excellent!!!
『殺し屋ポルターガイスト』のスピンオフと謳われている本作ですが、関係性はあまりなく、ほぼ独立した一作品として楽しめます。
舞台は私立真里孔(マリアナ)大学の遅念ゼミ。遅念「准」教授のゼミは通称『呪詛ゼミ』と呼ばれ、悪霊の『降霊』と『憑依』を研究し、ときおり外部から持ち込まれる憑依に関する相談をゼミ生たちと解決していきます。
『殺し屋ポルタ―ガイスト』動揺、これまたホラーコメディなのですが、前作よりさらに人間の闇に踏み込み、シニカルな視線が鋭さを増した内容になっています。
何かを問おうとするとき、正々堂々と正面突破しようとしてもうまくいかないことがあります。北風と太陽のように、相手の心をそれと知らぬ間に動かしてこそ、感じとってもらえる何かがあったりします。ジロギンさまが選んだホラーコメディは、それにしっくりくるジャンルのひとつではないでしょうか。
面白いけれど、馬鹿笑いするだけではない。怖くないホラーで、ときどき笑えないコメディで、後味が悪いところも多々あるけれど、そのシュールさに社会への強烈な皮肉が込められているようにも感じます。実はジロギンさまの社会への不信感や憤りってかなり根深く、人間のどうしようもないさがにあきれながらも、人間くささを嫌いにはなり切れないのかしら、などと邪推してしまいました。
何かかすかに引っかかり、いつまでも心に残り続ける。そんな読書体験ができる作品です。